ご安全に!
企業の目的は、利益の追求であるとよく言われますが、目先の利益を追求することだけが、企業の目的であるとは思いません。もっと大きな将来を考えた展望を持つことで、日々のお仕事にもやり甲斐や緊張感といったものが生まれてくるのではないでしょうか。
100年企業を目指す会社には、将来を見据えた目的があり、長く存続する理由もそこにあると思います。
当社の場合、その目的とは、技術力で社会のために貢献することだと思います。
例えば、国家規模のプロジェクトに参加することは、社会貢献のためであり、とても意義のあることだと考えています。今回は、そのことについてお話ししたいと思います。
大阪冶金は、2018年から、内閣府主導の国家プロジェクトSIP(第2期)に参加しています。SIPとは、科学技術イノベーションを実現するために創設された、府省・分野を超えた横断型のプログラムです。
当社の役割は、SIPのテーマの一つである「革新的構造材料」に取り組むことです。強く、軽く、熱に耐える革新的材料を研究開発することが課題となります。この課題に対して、当社は、長年培ってきた技術である真空熱処理技術をベースに、自社保有のガスアトマイズ設備で全く新しい金属粉末を製造し、粉末冶金技術であるMIMで挑戦しています。
ところで、このSIPの重要な点は、研究開発だけに終わらず、実用化・事業化までを推進するプロジェクトだということです。これは、とても大切なことだと思います。研究はもちろんそれ自体大きな意味のあることですが、企業の場合、研究を形にして市場に供給することが「使命」と言えば大げさですが、各方面から期待されていることです。
今の時点で、詳しいことは申し上げられませんが、当社が一翼を担う「革新的構造材料」のチームは、航空機産業を目標としています。それを目標としている理由は、航空機材料が最も過酷な条件で使用され、高い信頼性が求められるからです。つまり、航空機産業で使用できる製品は、応用範囲が広く、あらゆる産業分野での活躍に貢献できるのです。
SIPの他にも、内閣府所管のAMED(日本医療機器開発機構)からの支援を受けてチャレンジしている事業があります。AMEDは、医療の分野における基礎から実用化までの研究開発が、円滑に行われ実用化されるように環境整備に取り組む機関です。つまり最終的には上市を目指すものです。
大阪冶金が代表機関となり大学・企業とコンソーシアムを組み提案した事業が昨年、AMEDの医療機器開発事業の対象として採択いただきました。この事業も、医療の可能性を飛躍的に広げる新しい製品づくりであることをお伝えしておきます。
このように、大阪冶金は、航空機産業や医療分野といった国家規模のプロジェクトにチャレンジすることで、社員やその家族、そして関係者の皆さまとともに、大きなワクワクするような夢を育てたいと思います。それが100年企業を目指す会社のあり方だと考えています。
ご安全に!どうもありがとうございました。