大阪冶金興業ブログOsakayakin's Blog

今、あらためて会社の歴史を振り返る

2020年05月18日

 ご安全に!

 大阪冶金興業において、新年度がスタートして、すでに2ヶ月が経過しようとしています。現在 社会を揺るがしているこの環境、新型コロナウイルスの感染拡大の影響、これに対して精神的な面で少しでもゆとりを持つことが大事であると思います。

 こんな時代だからこそ、ゆとりは必要ですが、逆にこんな時代だからこそ、気を引き締めてより一層頑張ることも大事なことだと思います。そこで新年度はすでにスタートしましたが、大阪冶金興業の技術の歴史を振り返り、現実を乗り越える気持ちを新たにしたいと思います。この歴史を振り返り、未来への原動力とするのは、どの企業でも必要なことだと思います。

 思い起こせば、当社は、熱処理の仕事を1941年(昭和16年)からスタートしています。今年でちょうど数えで80年目です。来年はいよいよ80周年。この80年の大きな流れの中で培ってきた熱加工技術はおかげさまで高く信頼されています。

 1989年(平成3年)から始まったMIMは、生産規模が整い、製造業として地位を築き上げてきました。そして国家プロジェクトを含めて、いろいろなテーマを抱えて日々頑張っています。MIMにおいてはSIP−IIという国家プロジェクトも今年が3年目であと2年の活動期間が残されております。

 また造形・メディカル推進室に至っては、これも12年、医療関係のデバイスに取り組んでから12年です。一昨年にX-TAL(脊椎スペーサー)という商品が開発・販売できました。そして今年も新製品を手がける予定です。

 当社には、このように新たに挑戦するお仕事があります。これはとても幸せなことであるとともに、偶然の産物ではありません。なぜならば、それは当社が積み重ねてきた技術の歴史があるからです。

 もっと詳しく言えば、今熱処理でお仕事をさせていただいているガスタービン発電機、これは全世界で700基以上稼働しています。そのガスタービンに供するろう付けの技術を継承して、1970年(昭和45年)から粘り強く確実に積み上げてきました。そして世界に電気を供給する機械を作り続けており、50年の歴史の中で培ってきた技術を社会還元しています。

 またMIMに関しては、SIP−IIという国家プロジェクトへ参画しているのは前述の通りですが、国家プロジェクトの一つである航空機、その航空機の中でももっとも重要なエンジン、そのエンジンの中でも要となるブレードをMIMで作ろうとしています。この技術に必要なガスアトマイズという粉末製造装置を当社は持っていますが、これは2003年には早くも導入していました。

 さらに当社には真空炉があります。真空炉は温度管理がとても難しい設備です。1300℃,1400℃という温度をコントロールするのはかなり高度な技術を必要とします。大阪冶金はそれを1969年に真空炉1号を導入し、アメリカの温度管理規格の技術を日本では早期に取得しました。この実績の歴史も品質管理技術に脈々とながれています。

 日本は平和で豊かな国だと思っていたのが、いつの間にか想像を絶した流れの中で翻弄されている。まだまだ我々が意識していないことが出てくると思います。しかし「災い転じて福となす」という日本のことわざがありますが、我々は生きていくために今まで培った技術を世の中に還元し、人のためという意識をもって仕事に取り組むことが今一大事ではないかと思います。

 最後に、製造業には製造業独特の環境があります。世の中はコンピューターで仕事が出来、テレワーク、在宅勤務ということが話題になっていますが、製造業は違います。職場へ来て、お互いがコミュニケートをとり、一つの目的をもって機械の前で仕事をすることが製造業の仕事の原点です。それを踏まえた上で、製造業の皆様にはなお一層健康管理にご注意していただきたいと思います

ご安全に!
ご健康に!