大阪冶金興業ブログOsakayakin's Blog

新型コロナ時代のメーカーの心構え
<企業の原点に立ち返り、新たな道を歩む>

2020年07月27日

 ご安全に!

 新型コロナはスッキリとした終息の兆しが見えません。一旦、押さえ込んだかのように見えながら、楽観視はできないような状況が続いています。これは世界的な状況です。欧米諸国もまだまだ対応に追われているのが現状のようです。

 しかし、本当の問題は、新型コロナがたとえ終息したとしても、コロナ後の世界、すなわちアフターコロナを企業はどうやって生きて行くのかということです。これは、すべての経済活動をする人々にとって大きなテーマと言えるでしょう。もちろん、それは製造業も例外ではありません。

 あるいは製造業にとって、これは好機と考えるべきかもしれません。つまり新型コロナのような出来事を受け止めて、企業として、ここで一度原点に立ち返り、その発展のプロセスと今後の展望を見直してみるいい機会ではないでしょうか。

 と言うのも、今のような混迷する時代には、過去から築き上げてきた企業の足跡を見直すことが将来を照らす明確な指針となるからです。さらに言えば、時代に翻弄されないためにも、全社員が同じ一つの目的意識を持つことの重要性を確認することが出来るからです。

 当社を例にとって、具体的な話をします。
 大阪冶金興業は、SIP-2という国家のプロジェクトに参加しています。今年でちょうど3年目になります。国家プロジェクトに参加するということは「国の力に少しでもなる」ということです。そして、それは企業として国という公的な目的のために仕事をすることを選択したことを意味します。

 こうした選択は、一朝一夕に行われたものではありません。当社が今まで培ってきた熱処理、真空炉を扱う技術、MIMの技術、そして3Dを含めて、今までのありとあらゆる我々の持っている企業資産がその選択に集約されているのです。

 振り返ると大阪冶金は昭和16年、1941年に創業したときには金属の熱加工が仕事でした。お客様から品物をお預かりして、それを熱加工して納品する加工業でした。やがて1989年に入ってからMIM事業を開始しています。MIM事業は、原料を購入し、お客様の要求されるものを造る製造業です。

 そして最近では造形メディカル。この造形メディカルでは、一昨年の夏に、従来の加工業や製造業の経験をベースにして、新たなチャレンジとして商品化しました。それが人工椎間板(X-TAL:クリスタル)です。人間の体の一部に適用するチタン製の人工椎間板です。これも13年かかりました。13年の永きにわたって熱処理、MIMなど、いろいろ研鑽した技術を集約して商品化して世に送り出しました。

 これはどういうことかといえば、当社は加工業から製造業へ、そして商品を企画・開発し生産するメーカーへと進化しているということです。繰り返せば、その進化のベースにあるのは金属を熱加工し、製造するという原点です。その原点を忘れずに、これからも、国の産業に貢献できる進化を目指したいと思います。

 当社にはこのように誇るべき歴史がありますが、こうした歴史は、古くから創業されているどの企業にもあるはずです。この誇りを胸に、企業の歴史と使命感を社員の一人一人が自覚してゆくことが大切な時代ではないでしょうか。

ご安全に!
ご健康に!