大阪冶金興業ブログOsakayakin's Blog

継続は力なり。創業80周年に向けて

2020年08月24日

 ご安全に!

 継続は力なり、とはよく使われる言葉です。よく使われる言葉というのは、そこに真実が含まれています。この含蓄のある言葉は、とくに歴史ある企業にとって首肯けるものではないでしょうか。

 創業した企業の多くが10年以内に廃業するというデータを見たことがあります。そうした厳しい環境の中で10年、20年、あるいは50年、60年と継続してきた企業には、それぞれ尊ぶべき歴史があると思います。

 大阪冶金興業は、来年80周年を迎えます。80年と一言で言うのは簡単ですが、そこにはいろんな思いや出来事があります。戦争を乗り越え、戦後の苦しい時期を過ごし、そして経済成長を迎える。そして、いろいろな経済環境を経験しながら、今がある。その今の時点から、コツコツと我々が成してきた仕事に対して思いを馳せていただくことが、「今自分たちがどっちへ向かっているんだ、これから何をなすべきなのか」ということを考える指標になると思います。

 当社を例にとってお話しします。当社は、先代が創業した会社です。先代は13の歳に大阪の船場というところで繊維の商いの丁稚奉公から仕事を始めました。小学校、当時の尋常小学校を卒業してすぐの頃です。やがて番頭になり、暖簾分けをしていただき、独り立ちしました。西日本のほとんどを行商で訪れたそうです。そこで知り合った方から勧められて、先代は熱処理を興しました。1941年のことです。

 1910年生まれの先代はその時31歳でした。先代はその間に培ったものだけで熱処理業をスタートしたのです。当時はお商売をしていた方がものづくりをするなんていうのは、考えられないことでした

 では何故 熱処理業というものを起業したのか。それは戦争という世の中の大変動があったからです。繊維の仕入れが不可能になり、それを機に金属の加工業を選びました。この選択は、ある意味でやむを得ない選択でした。13歳から31歳までやっていたお商売と全然別なところへ取り組まざるを得なかった。そこで起業しなければならなかった。言わばベンチャー企業として当社はスタートしたのです。

 これは自慢話ではありません。大阪冶金というものがここにある原点を、お話させていただいています。そして単なる過ぎ去った昔話ではありません。いまそれを我々は体験しています。そうです、新型コロナです。戦争とはまた違いますが、それに等しいほどの変化をこの新型コロナウイルスによって経験しているのです。

 今、国民が知恵を出し合って、その新型コロナウイルスを抑えようとしています。当社に関して言えば、どんな状況になっても、変化に対応し、企業を継続してきたという歴史を大切にしたい。ただ単に80年というのではなくて、「その80年の流れの中で、いろんな世の中の変動に対して、我々は存在しているんだ」ということの意義を考えていきたいと思います。

 そして、10年先、20年先の次の世代に向かって、何を我々はベースにものを判断し、世の中の情勢に対して対応していかなければならないか、というヒントをメッセージしたいと思います。

 当社の歴史を例にとってお話しさせていただきました。さらに付け加えるなら、当社の80年の歴史を考える時に、社内だけではなく、社外のいろんな方のご支援とご指導とご協力によって大阪冶金は存在しているということを思い出し、それにどう答えていくかがこれから当社が生きていく一つの指針となると思います。

ご安全に!
ご健康に!