ご安全に!
企業は社会的な貢献を様々な形で行なっていますが、雇用問題は中でも重要なテーマの一つではないでしょうか。
現在のようなコロナ禍の状況、そこから来る経済的な停滞の時期にこそ、企業は人材を雇用することで社会的な使命を果たすべきだと私は考えます。おそらく、どの企業もそう思っていることでしょうが、業種によっては厳しい状況が続き、雇用を断念せざるえない場合もあると耳にします。
残念なことですが、止むを得ない事情もあると存じます。
当社の現在の状況で言えば、幸いなことに、継続的に門戸を開放し、人材を広く求めています。それは冒頭で申し上げたように、人材採用は企業の社会的な使命ということもありますが、企業にとって、人材こそは未来そのものであると考えているからです。
また雇用にともなって重要なことは、人材の育成というテーマです。これは当社にとっても大きなテーマです。いろいろ試行錯誤を重ねながら、働く人達のいい環境づくりに取り組んでいますが、こうした取り組みを行うことで会社の働く環境は少しずつでもよくなると思います。
かつての高度経済成長やバブルと言われる時期の日本的経営を、現在では一方的に批判する声も聞きますが、じつは良質な部分もあったと私は考えています。その良質な部分を一言でいえば、組織文化を大切にする風潮です。組織文化とは、家族主義とコミュニケーションを大切にする組織論です。それこそが日本的経営の軸にあったものであり、今でもそれは大阪冶金という会社の根底を支えているものです。


一方で、従来の文化だけでは新しい時代に対応しないという事実からも目を逸らせません。自分たちの文化を継承しながら、新しい考えを取り入れる柔軟性を持つことが、思考停止に陥らないことではないでしょうか。例えば、インターネットが仕事だけでなく、私たちの生活全般を大きくイノベーションしたように。
そうした視点で考えると、2015年から提唱されているSDGs(持続可能な開発目標)も、このコロナ禍で大きく注目されていることの一つです。当社も、従来から行なっているムダ・ムラ・ムリを減らす活動や働きやすい環境のより一層の改善など、身近なことから取り組んでいます。それを踏まえた上でSDGsという世界的な枠で捉え直し、あらためて考えてみることで、実践の質をさらに向上させたいと思います。
大阪冶金は今年80周年を迎えます。10年後には当然90周年を迎えるわけですが、この10年を当社なりの「行動する10年」と位置づけたいと思います。そして雇用問題と人材育成という社会性のあるテーマに取り組み、働く環境をより良いものに変えてゆく実践を行いたいと考えています。
ご安全に!
ご健康に!