大阪冶金興業ブログOsakayakin's Blog

経営計画書は単なる計画書ではなく意識改革である

2021年08月23日

 ご安全に!

 企業にとって経営計画書は重要な意味を持っています。そこには、企業の「過去の蓄積」と「未来の展望」が描かれているからです。

 しかし、大切なのは、経営計画書の体裁の良さやボリュームの充実ではなく、その中身をいかに自分たちのものにするか、ということではないでしょうか。つまり、いかに立派な経営計画書を作っても、それで終わりでは、単なる自己満足になってしまいます。

 当社も経営計画書には力を入れています。そこで、当社を例にとって、経営計画書の在り方を考えてみたいと思います。

 ご存知の方もおられると思いますが、当社は製造業のお仕事をしてまいりました。したがってその中心は技術力にあります。そして当社のスタートは金属熱加工業になります。これは、お客様からお預かりした製品を加工してお届けする、というお仕事です。その技術も今から考えると、とてもシンプルなものでした。しかし、ここに、当社の原点があります。

 現在では、当社の技術は高度化して多岐に分かれ、製品も複雑化しています。
 そうした現状を踏まえ、今年の経営計画書では、5年先の取り組みを具体的に記載されています。
 ここでは詳細に触れませんが、熱処理で取り組んでいる国際プロジェクトITER(イーター)、MIMで取り組んでいる国家プロジェクトSIPⅡ、などはその一例です。

 さらには体内埋込型の医療デバイスである金属製人工骨など新しいメディカル市場に向けた製品開発のための技術を導入しています。こうしたことを実現するためには、設備環境が必要です。経営計画書では、その裏付けとなる新たに建設される建物についても紹介しています。

 こうした先進の技術はこれからの当社の未来を作るものですが、先ほど述べたように、金属の熱加工という技術が当社の原点としてあることに意味があります、それを忘れてはなりません。こうしたことも経営計画書には明記されています。さらに大切なのは、目標の達成を抽象論で終わらせるのではなく、あくまで具体的な数字として認識し、それを社員の一人一人が共通認識として持っていただくことです。これも経営計画書の重要なポイントです。

 今年の10月には当社は80周年を迎えます。これから先、90周年、100周年へと向かっていくためには、一人一人の意識の切り替えが重要です。例えば、「八紘一宇」といった経営理念もその一つです。経営計画書は、そうした考えや思いが凝縮されて一冊になった羅針盤のようなもの、とわたしは考えています。どうか今一度、当社の従業員には経営計画書を通じて自分の会社と自分の仕事について向き合っていただけたらと思います。


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