大阪冶金興業ブログOsakayakin's Blog

決して諦めない心、臥薪嘗胆について

2022年10月31日

 ご安全に!

 日本語には豊かな表現がたくさんあります。残念なことに含蓄のある多くの言葉が今ではあまり使われなくなっていますが、日本人の精神形成には欠かせないと私は思います。とくにいわゆる四文字熟語には大切な意味が多く込められています。

 例えば、私が常日頃から心に留めている言葉に「臥薪嘗胆(がしんしょうたん)」という言葉があります。これはもともとは中国の「史記」に記されている言葉ですが、日本人には古くから馴染みのある四文字熟語です。

 文字通りにご説明すると、薪の上に痛みを堪えて寝て、苦い肝を我慢して舐めるということです。簡単に言えば、将来の成功のために、今の苦労を耐え忍ぶことを意味しています。

 ここで大切なのは、それは単に決意すると言うことではありません。一度決めた思いを遂げるために、気持ちを引き締めて継続することが肝心である、という教えがここにあるのです。さらに深い意味がここにはあります。

 それは、人は忘れっぽい生き物だと言うことです。だからこそ具体的に、薪の上に寝て苦い肝を食べ、忘れない工夫をして実践することの大切さを暗示していると私は思います。

 「臥薪嘗胆」とは、こうした重い意味のある言葉です。一度は挫折して敗北感や屈辱を受けてしたとしても、その悔しさを忘れずに、逆にそれを糧として、いつの日か目的を達成するため、考えをめぐらせて具体的に行動することの重要さを説いています。

 なぜ今頃になって、こんな古い言葉を持ち出したのかと言えば、今の時代の風潮として、こうした覚悟がますます必要ではないか、と感じるからです。私は若い頃にこの「臥薪嘗胆」という言葉を心の支えに勉強にお仕事に励んできました。

 これには、実は私の若い頃の苦い経験があります。私は目標としていた公立高校の入試に失敗して、私立高校に入学することになりました。その入学式の時に校長先生が入学生に対してこう言われました。君たちの中には、公立高校の入試に失敗して悔しい思いをしているものがいるだろう。しかし、その悔しい気持ち忘れずに大事にして欲しい、と。そして、そのお話で「臥薪嘗胆」とい言う言葉を使われました。その後、私は人生で何度もこの言葉に救われました。

 こうした、心を励ます言葉は誰にとっても必要だと思います。皆さんも、自分にとって大切な言葉をお持ちだろうと思います。ぜひ、そんな大切な言葉を胸に、お仕事に、暮らしに励んでいただけたらと思い、私の大切な言葉「臥薪嘗胆」を紹介しました。


ご安全に!
ご健康に!