大阪冶金興業ブログOsakayakin's Blog

万博も、ロケットも、「夢」を追い続けることに意味がある

2023年12月22日

 ご安全に!

 日本の誇るべきロケットH2A 47号機が2023年9月7日に種子島からの打ち上げに成功しました。当社では従業員が揃って、祈るような気持ちで打ち上げを見守りました。そして打ち上げ成功の喜びを分かち合いました。

 H2A 47号機には、日本初の月面着陸を目指す小型月着陸実証機「SLIM」(スリム)エックス線天文衛星「XRISM」(クリズム)が搭載されています。この月面着陸機「SLIM」には、大阪冶金興業の技術により熱処理加工された金属部品が、一部に使用されています。我々にとっては、まさに夢を託したプロジェクトの一つなのです。

 そして、いよいよ月面へ着陸するトライが2024年1月20日午前0時頃から開始され、20分後に着陸予定です。※

 今回の月面着陸機「SLIM」には大きなミッションがあります。それは月の表面にある砂を採集することです。この砂を分析することにより、月の年齢や地球との関係を解き明かすことが可能になる、ということです。

 ここには技術的に大きなテーマがあります。この砂は月の表面のどこにでもあるものではなく、ある特定の場所にしかないものです。誤差100メートル以内のピンポイントで指定の場所に着陸する高度な技術が必要なのです。他国ではなし得ない、この技術を支えているもの、それこそが日本企業の底力ではないかと私は思います。

 月面着陸といえば、思い出すのは1969年のアメリカのアポロ11号です。そして、このアポロ11号が持ち帰った月の砂は、1970年の万博で公開され、大きな話題となりました。それはアメリカが成し遂げた偉大な成功でした。

 それから、55年が経ち、いよいよ日本が主導となって月面着陸を目指すときが来たのです。ここには当社だけではなく、日本のさまざまな企業がそれぞれの技術を集結するに至った物語があるのではないでしょうか。こうした企業の思いは簡単には語り尽くせないと思います。

 ところで、2025年、2度目の大阪万博の開催が近づいてきました。私は万博とはそれぞれの企業の未来への思いを、日本の皆様、世界の皆様にお伝えできる大きなイベントだと考えています。

 万博には夢があります。それは月面着陸のような、人類の知恵と技術が、挑戦を続けることで実現する夢ではないでしょうか。1970年の日本には、夢があったと私は思います。現在の日本でも、H2A 47号機のように、夢は実現すると思います。日本企業の夢を託して、2025年の大阪万博の成功を、私は心から願っています。


ご安全に!
ご健康に!

(※JAXA プレスリリース2023年12月5日「小型月着陸実証機(SLIM)の月面着陸の予定について」より)