大阪冶金興業ブログOsakayakin's Blog

地道な「研究」と社会への「実装」の両立こそが大切です

2024年01月25日

 ご安全に!

 先日の1月20日にJAXAの月面着陸機「SLIM」(スリム)が月面着陸に成功しました。この「SLIM」は2023年9月7日に種子島からの打ち上げに成功したH2A 47号機に格納されていたもので、約五ヶ月ぶりに月の軌道から、見事に月面着陸を成し遂げました。

 この成功はJAXAのみならず日本の技術力が成し遂げた誇るべき成果です。「SLIM」のミッションは着陸の誤差を100m以内(他国の10〜100分の1以下の精度)を目指すピンポイント着陸という高度なもので、民間企業が参加することで実現することができたのです。

 当社の技術も、熱処理加工された金属部品が、「SLIM」の一部に使用されています。こうした夢のあるプロジェクトに参加できたことを誇りに思います。

 プロジェクトと言えば、その他にも、大阪冶金は国家プロジェクトに参加しています。例えば、エネルギー問題の解決を目指す国際プロジェクト「ITER(イーター)」に金属熱処理加工の技術を用いて貢献したり、国家プロジェクトでは、新素材の合金粉末を開発して金属射出成形MIM(ミム)での航空機エンジンブレードの製造に挑戦しています。また金属3Dプリンターを利用して人工骨をはじめとする医療機器分野へと挑戦しています。

 こうした幅広く大きなプロジェクトへの参加は、いくら派手に見えようとも、実は地道な研究を積み重ねることによって初めて成し遂げられるものです。根気と努力が必要とされるのです。ここで成果を急いでは、大きな目的を達成することはかないません。

 例えば、最近多くの引き合いをいただいている技術にMIMがあります。MIMとは金属部品を製造する技術で、複雑形状の部品を、最終製品に近い形で製造することが可能です。様々な分野の小型精密部品などの製造に使われます。当社ではこのMIMの技術を用いて30年以上の実績がありますが、この技術の発展のために、当社は長い時間をかけて研究とそのための努力を続けてきたのです。この、かけた時間こそ理想を実現するには必要だと私は思います。

 そして、「研究」と同じくらい大切なのは、「社会実装」です。社会実装とは、研究した技術を製品化するなど、社会のお役に立つような「形あるもの」にすることです。「研究」だけではなく、「社会実装」することで、理想は完成に近づくのではないでしょうか。

 ところで、実現する前に多くを語ることは私の本意ではありません。今日はすでに多くを語ったような気もしますが、このあたりで「黙して語らず」行動あるのみ、を実行したいと思います。つまり、「思考と実行」です。


ご安全に!
ご健康に!