大阪冶金のMIMのポイントPoints of MIM of Osaka Yakin

高品質な複雑形状部品のものづくりを実現します

大阪冶金MIMのポイント(特徴)

The Features of Osaka Yakin’s MIM

当社では長年培ってきた熱処理技術、大型成形機、HIP焼結炉、ガスアトマイズ粉末製造装置などを活用し、高強度な大型部品、新材料開発を含めた部品の製造を行っています。
工作機械、精密機器、工業用刃物、医療機器、航空機業界など幅広い用途に幅広い材料のMIM部品を適用しております。
また豊富な検査・分析装置を保有しており、多様な品質管理要望に対応しております。

大阪冶金興業のMIMの特長

粉末から開発可能

材質的にはチタンを初め、幅広い材料の粉末を製造可能であり、一般的でない材料の部品化において、粉末の開発からスタートすることが可能です。
丸棒(インゴット)を電極として誘導加熱によって直接溶解アトマイズを行うガスアトマイズ装置にて、タンディッシュに汚染されない球状粉末を製造することができます。

  • ガスアトマイズ装置
  • 金属粉末
  • 粉末の電子顕微鏡写真

大型部品の製作が可能

  • 180ton射出成形機
  • MIM製法で対応できる部品の大きさの目安として50g程度までと一般的には言われておりますが、400gを超えるMIM部品の実績があります。また、更なる大型複雑形状の製造を可能にする180ton射出成形機を導入。500g超の部品も成形可能です。

  • X線CT検査装置(非破壊検査)

温度管理(幅広い材料に対応)

熱電対検定システム:高度な温度校正

1941年の創業以来培ってきた温度管理技術が大阪冶金興業の基盤技術であり、最大の強みです。炉の制御や温度測定に使用する熱電対は自社で検定・校正し、精度の高いものだけを使用しております。
狭い温度幅で制御しなければ緻密な焼結体を得られない材質でも量産化することができます。より幅広い材料に対応可能です。

加圧焼結(HIP)

  • 減圧での焼結炉に加えて不活性ガスによる加圧焼結ができる炉を保有しております。

加圧焼結の利点
・焼結体の更なる高密度化:密度100 %に近い焼結体を得ることができます。
・寸法精度向上:焼結体の密度ばらつきがないことから寸法精度の高い焼結体を得ることができます。
・内部欠陥レス:脱脂体に万が一内部欠陥があったとしても加圧焼結で欠陥を消滅させる
ことが可能です。大物部品のリスク低減に大きな効果があります。

  • 減圧焼結の断面  X線 CT 画像
  • 加圧焼結の断面  X線 CT 画像
    大型部品でも
    内部欠陥が無い製品が製作できる

大阪冶金ならではの
豊富な自社の検査・分析設備

高い品質を必要とする部品の分析、検査を自社設備にて行なうことが可能です。
充実した分析機器、検査機器を保有しており、粉末や焼結体の酸素量、炭素量等の各種分析、MIM特有の複雑形状品の最適な寸法測定を実施しています。
品質保証はもちろん、技術力・開発力の基盤となっております。


高品質な複雑形状部品のものづくりを実現します

MIMの工程

The Process of Osaka Yakin’s MIM

step01

大阪冶金のここがすごい チタンなどの粉末製造

粉末製造

  • 溶融した金属に高圧の水やガスを吹き付けて、噴霧・冷却し球体の粉末を得る。
ガスアトマイズ装置
一般のMIM

  • 粉末メーカーから調達する。
  • ステンレス鋼、鉄-ニッケル系合金が主流。
当社のMIM

  • ガスアトマイズ装置を所有しており、入手困難な活性金属粉末やオリジナル合金粉末の開発・製造が可能。

step01

混練

  • 金属粉末に流動性と保形性を付与するために、加熱しながらバインダを添加・混合し、フィードストックを作製する。
一般のMIM

  • 市販のフィードストックが主に使用されるが、各社独自のバインダを配合したフィードストックも使用される。
当社のMIM

  • 材質や成形体の大きさに合わせて、使用するバインダの種類を3種類から選択することができる。
  • フィードストックの一部は内製化しており、粉末の品質に応じてバインダ量を調整することが可能。

step01

大阪冶金のここがすごい チタンなどの粉末製造

射出成形

  • 加熱したフィードストックを金型内に射出し、冷却・固化することで成形体を得る。
  • プラスチックと同様に、複雑形状部品を成形することが可能。
一般のMIM

  • 30〜50tonクラスの成形機が一般的に使用される。
  • 大きさの目安としては約50gまでが一般的。
  • 大物部品の場合、内部欠陥が生じやすい。
当社のMIM

  • 30〜180tonの成形機を使用し、500gを超える大物部品の成形が可能。
  • X線CT装置により、成形体の内部欠陥検査が可能。

step01

脱脂

  • 脱脂工程では、成形体に含まれるバインダを除去する。

一般のMIM

  • 各種バインダに応じて溶媒脱脂や加熱脱脂(大気・雰囲気・減圧)を行う。
当社のMIM

  • 形状、大きさ、材質により3種類のバインダを使い分けており、各種バインダに適した脱脂処理を行う。

step01

大阪冶金のここがすごい チタンなどの粉末製造

焼結

  • 脱脂体を加熱し、固相焼結または液相焼結により粉末同士を接合させ、緻密化する。
  • 材質により適切な焼結温度が異なる。
一般のMIM

  • 相対密度が95%以上の焼結体を生産することが可能で、溶製材と同等の機械的性質を得ることができる。
  • 焼結温度の範囲が狭い合金については、安定して高い相対密度の焼結体を得るのが難しい。
当社のMIM

  • 加圧焼結により相対密度で98%以上を実現。
  • 工具鋼などの焼結が難しい合金でも、厳しい温度管理により、高い相対密度の焼結体を安定して生産することが可能。
  • 真空熱処理の技術を活かし、チタンなどの活性金属材料についても、高品質な生産が可能。

step01

サイジング

  • 焼結で生じた製品の歪みを、要求される寸法・精度に仕上げる矯正工程。
一般のMIM

  • 冷間プレスでサイジングを行う。
当社のMIM

  • 冷間に加え、熱間でのサイジングが可能である。

step01

熱処理

  • 材質や要求特性により、必要に応じて熱処理を行い、要求される機械的性質を引き出す。

step08

出荷検査

  • 豊富な分析・検査装置を活用して、多様な品質要求にお応えしています。

完成

MIM(金属粉末射出成形)の工程のまとめ

Metal Injection Molding

  • Metal Injection Molding(金属粉末射出成形法)
  • ・プラスチックのように形を作って金属粉末を焼き固める技術
  • ・複雑形状部品を大量生産できる工法
  • ・当社は1989年 MIM関連ライセンスをウイテック・ジャパン社より取得して事業を開始